着物ができるまで How to make KIMONO
きもの制作にあたり大切なことは、
感動した風景や記憶を染めていくことにあります。
美しい風景のあるところへ出向くことや
毎日少しずつ移り変わる自然に目を向け続けることも仕事の一つです。
何か発見や 気になるものがあれば、写生(スケッチ)をします。
写生をすることで 対象物と 初めて向かい合うことができ、
描いてゆくと さらに新しい発見、アイデアが生まれ、
きものを作る上での必要な要素が整理されます。
写生を基に 小下絵用紙にきものの全体図やデザインを何枚も描き、
さらに整理していきます。
この時に 作品に使用する技法や工程も組んでいきます。
完成した小下絵を原寸大の用紙に拡大し、草稿のアタリをとります。
アタリをとった原寸大の草稿を基に下描きをして、
清書用の草稿用紙にペン入れをしていきます。
草稿用紙に描いた下絵を、白生地に糸目と呼ばれる細い糊の線で
写し取って描いていきます。
糸目で描いた絵柄の中に、様々な色の染料を刷毛や筆で挿して(塗って)いきます。
友禅を施した図柄や残しておきたい部分にはロウを塗ります。(マスキング)
地模様をつけるために、全体にテープを貼り、残したい形にカットします。
その後、ロウを細かく均一に吹き付けるロウ吹雪を施し、同じ作業を何回か繰り返し仕上げます。
大きい刷毛で地色を染めます。
蒸し機
蒸し後、余分な染料を職人が手洗いで洗い流します(水元作業)
水元用の人口川
(水は京都地下を流れる豊富な地下水を利用)
写真提供/ 丸京染色株式会社
染めあがった反物は加工工場でロウを落として蒸しをかけ、染料を定着させます
さらに水元(水洗い)をして、最終工程「ゆのし」(生地を均一にする工程)で完成です。